雑沓刺繍

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ひなぎくに寄す

目ざめると ふたたび青空であった
永く経たものと おもわれた
時のうつりは わずかであった
すべてが きょうのうちにしまった

おもいではみな あどけなく描かれた
わた雲の風に梢もゆれていた
野も群青に透いていた
かぎりない遠さのゆえに

記念した なにものも帰ることなく
時のわずかに溶かされた
鳥は渡りに群れていた

しかし!このかがやきは鳥をもまよわす
透明な なつかしさだ
死にいそぐ人たちは みな かなしくしかない


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